狐狼の血
※ネタバレ含みます※
見てきました。
すごかったです、全部すごかった。
特に鈴木亮平の演技が、というか鈴木亮平が怖かった。元々狐狼の血は最近まで全く興味がなく、前作を見たのは先月くらいなんです。というのも、今日見てきた続編の予告をテレビで見て鈴木亮平に撃ち抜かれまして。続編見るからには前作も見にゃいかんとなりアマプラで視聴。そして沼に落ちました。
ちょっと前作の話しますね。
役所広司が神。大上が物語の主役なはずなのに、大上の視点で描かれるシーンはほぼなく、その分話が後半に進むにつれて、粗暴で一匹狼の大上がいかに誰よりもカタギを守ろうとしていたのかが分かり、胸を貫かれました。
もっかい見たい、見よう。
そんなこんなで狐狼の血の沼に足を突っ込み、満を辞して続編を見に行きまして、鈴木亮平の狂気に酔い、村上虹郎演じるチンタの悲哀に喉が詰まりました。お姉ちゃんの涙も辛かった。
上林に同情するつもりはないですが、人生ってある程度生まれた時から決まっていて、自分ではどうにもできないことも多いですよね。
でもそれを上林はどうにかしようとした。自分一人で。そうして戦い続けるうちに、人間の心を過去の自分に奪われていったんだろうな。奪われるというか、飲み込まれていった。
またチンタと接することで、ほんの少し残っていた人間の部分に気付かされる瞬間があったのだと思う。
そして本当は自分の制御不能な狂気を誰かに絞め殺してもらいたかったのではないか。松坂桃李演じる日岡と対峙する最後のシーンで、そう感じました。
とはいえ、上林は狂ってますし、鈴木亮平はすごい。そんな映画でした(薄いな)。あと犬が可愛いです。
そういえば主役の日岡にほぼ触れてないですが、日岡の変貌ぶりには鳥肌立ちっぱなしでした。大上の意思というか信念を受け継ぎつつも、まだ本来の純朴さも顔を出していて、主役らしい感情移入のしやすいキャラクターだなと思いました。松坂桃李って、どんな演技もハマりますよね。役者って本当にすごいや。
また近々二回目見に行きます、絶対。